入居企業インタビュー#37 株式会社コネクトアラウンド 菅原正平さん

株式会社コネクトアラウンド
菅原 正平さん
10年近く東京で飲食業に勤めており、イタリアンや天ぷら店などのエリアマネージャーをしていましたが「子育ては田舎でしたい」という思いが強く、奥様の就職をきっかけに大熊町に移住し、東京での仕事をリモートワークで続けていました。仕事場所として使用していた大熊インキュベーションセンターで、働く方々に刺激を受け「自分もこの町に貢献したい」という思いが強くなり同社に入社。今後は施設長として農作物の管理はもちろんのこと、イベントや交流会の企画に従事します。
Q1. 主な事業内容や今後の展開を教えてください
私たちは令和7年4月、大熊中央産業拠点に6次化農業複合施設をオープンする予定です。
「FUN EAT MAKERS in Okuma(ファン イート メイカーズ イン オオクマ)〜つくる・たべる・であう〜」と題し、農業や食を通じてさまざまな 人々が大熊町と出会い、繋がり、農業の振興と賑わいの再生の実現を目指します。具体的には
・AIを活用した管理システムを導入してミニトマトやリーフの生産を行う「高付加価値農業生産エリア」
・福島の食材を使った季節を感じる健康的な料理を楽しむ「食を楽しむエリア」
・異業種のプロフェッショナルと出会え、 農業と自身の可能性を広げる「つながるワーケーション・滞在エリア」
・大熊町の野山をイメージしてビオトープ などを設置する「大熊町の自然の景色とつながるエリア」
・軒下スペースを活用してイベントなどを行う「大熊町とさまざまな人がつながるエリア」
など5つのエリアを含んだ複合施設にする予定で、オープンに向けて今まさに準備を行っています。
Q2. この事業に参画したきっかけは?
コネクトアラウンドの親会社はIT企業です。現在、農業の担い手不足が日本中で問題となっている中で、ITを活用した水耕栽培システムを構築することで就農のハードルを下げることができるのではないかと考えました。
福島第一原発の事故を受け、未だに一部で農産物の風評被害、居住環境にも課題がある大熊町は「今、日本で農業を新規開拓するには一番厳しい場所」と考えました。そのため、大熊町で農業に関連する事業を成功させることができたら、人口の都市集中体制を脱却し、地方での雇用創出を生み出すことに成功できるのではないかと考えています。
私がこの会社に入ったのは今年度で、それまでは食に関する職業に就いていましたが、農業に関してはあまり知識がありませんでした。そのため、1次産業「生産」✖️ 2次産業「加工製造」✖️ 3次産業「販売提供」の3つを掛け合わせてできる6次産業にとても可能性を感じています。
Q3. コネクトアラウンド(株)に入社したきっかけは?
元々、東京でイタリアンや天ぷら屋などに勤めエリアマネージャーなどもしていましたが、子育ては田舎でしたいという気持ちがありました。妻の出身地でもある福島県に妻の就職先が決まったことをきっかけに、大熊町に移住してリモートワークをしつつ福島と東京を行き来するようになりました。
仕事場所として大熊インキュベーションセンターを利用するようになり、センター内にいる皆さんの仕事やこの町の復興への意欲に刺激を受け「自分もこの町に貢献したい」と思うようになりました。そんな時にコネクトアラウンドを知り、入社を希望しました。
Q4. 今チャレンジしたいことや関心のある事
これまで飲食業に勤めていたので「農業」に関わる専門知識が少ないことが不安です。そのためこれからは自社工場で作る農作物以外の野菜や「土」「堆肥」などの知識もつけていきたいと思っています。
また、AIを使った農業がどこまでできるのかにも貪欲にチャレンジしていきたいです。
Q5. 普段はどんな生活をしていますか?
大熊町の大川原地域に住んでおり、平日は大熊インキュベーションセンターに8時30分〜18時30分頃まで滞在することが多いです。朝8時30分にはOICスタッフの方とラジオ体操をすることもあります。
週末は家族で過ごしています。大熊町を中心に近隣の市町村ではイベントがたくさんあるので地域住民の方との交流も多く、知り合いが多くなりました。(笑)
Q6. おすすめしたいお店、本、映画、などありますか?
先日町民へ無料配布された町制施工70周年記念誌の「つなぐ」に感動しました!とてもクオリティが高いですし、読み応えがあり面白いです。特に「当時を知る町民の声」のコーナーでは90代のおばあちゃんの話も掲載してあり、当時の時代背景や、大熊町の軌跡がわかりました。
Q7. あなたにとっての福島、大熊町とは?
この町は町の発展や新しい事業に取り組む企業が多く「日本で1番発展している田舎」だと思います。特にこの大熊インキュベーションセンターの中身は最先端で、まるで「東京25区」(長野県軽井沢町の便利さや暮らしやすさを「東京24区」と呼ぶ事があることから)みたいだなぁと。
入社したきっかけでも話しましたが、そんな皆さんに刺激を受け、自分もこの町に貢献したいという思いで働いています。
Q8. さいごに一言お願いします!
どんどん進化していく大熊町に、元々住んでいらっしゃった町民の方から「町に置いていかれている」「寂しい」「よそ者に入ってきて欲しくない」というという厳しいご意見も頂いております。
6次産業の拠点となる「FUN EAT MAKERS」では町民を巻き込んで作る畑やビオトープなど、関わる人々みんなで作り上げていける場所づくりを目指しています。町内外の方々との交流会や、この場所を活用した企業同士のコラボレーションなど、どんどん意見をいただきたいです!私はまだまだ新参者ですが、施設長として「大熊町の諸先輩方にも誇っていただけるような場所」にしていきたいと思っています。
◆編集担当より
いかがでしたか。
6次化農業複合施設「FUN EAT MAKERS in Okuma(ファン イート メイカーズ イン オオクマ)〜つくる・たべる・であう〜」がオープンしたらぜひ足を運んでみてください!