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入居企業インタビュー#30 株式会社MLP 徳田裕子さん

株式会社MLP
徳田 裕子さん

病院勤務時代、DMAT(災害派遣医療チーム)やHCU(高度治療室)、NICU(新生児集中治療室)など、さまざまな救急医療の現場を経験。「学んできた知識や技術を、地域のために還元したい」という想いが強まり、MLPを設立。

Q1. 主な事業内容や今後の展開を教えてください

私たちは、民間救急サービスを中心とした幅広い医療支援活動を行っています。

具体的には、緊急性が低い傷病者を医療機関や社会福祉施設などへ搬送するサービスで、「患者等搬送事業」、イベント時の救護対応や民間向けの救命講習、ペット向けの応急処置講習「ペットセイバー」の提供、さらに、遠隔で患者の状態を医療機関が把握できる見守りサービス「はち」の公式代理店としての活動など、多岐にわたります。

中でも特に力を入れているのが、民間救急サービスです。消防救急車の負担軽減を図りながら、医療従事者の働き方改革を支援することを目的としています。救急対応をより効率的にし、地域全体の医療環境を改善していくことが、私たちの大きな目標です。

Q2. この事業を始めたきっかけについて教えてください

この事業を始めたのは、自身の医療現場での経験と、地域の課題に向き合いたいという想いからです。

病院勤務時代、DMAT(災害派遣医療チーム)やHCU(高度治療室)、NICU(新生児集中治療室)など、さまざまな救急医療の現場を経験しました。救急医療は私にとって最もやりがいを感じる分野であり、救急救命士の資格も取得。その後、救命士の指導や災害現場での支援、日本赤十字社での活動、小学校での着衣泳の指導など、多岐にわたる医療支援に携わってきました。

こうした経験を通じて、「学んできた知識や技術を、地域のために還元したい」という想いが強まったことから、自分の経験を活かし、地域の医療環境を改善するためにこの事業を立ち上げました。

大熊町を含む地域では高齢者の通院の困難さ、救急対応の遅れ、医療従事者の働き方改革といった課題があり、その解決が求められています。

「空白の町」と大熊町を呼ぶ人もいますが、私は、その空白を埋めるために自分の経験とスキルを活かしたいと強く感じました。地域医療や救急対応の現状を知り、「ここでなら、自分の知識や技術が役立つ」と確信しています。

また、大熊町は特別な場所だと考えています。震災後、多くの課題を抱えながらも、復興に向けた新たな挑戦が始まっている町です。そんな大熊町で活動することは、私にとっても新たなチャレンジであり、大きなやりがいを感じています。

Q3. 普段はどんな生活をしていますか?

普段の生活は移動が非常に多いです。現在住んでいる岩手と仕事をしているいわきを行き来しており、往復で約800kmにもなります。車の総走行距離は37万kmを超えましたね(笑)

もともと運転が好きで、国内Bライセンス(タイムトライアル大会への出場資格を持つ免許)を取得していたものです。

そのため、この長距離移動も苦にはならず、むしろ楽しみながら過ごしています。

Q4. おすすめの○○を教えてください。

私のおすすめは北海道です。

もともと車だけでなくツーリングも好きで、過去に8日間かけて北海道の離島を含め、隅から隅までバイクで巡ったことがあります。雄大な自然の中を風と共に走ると、まるで心が洗われるような感覚になり、とても魅力的な場所だと感じました。

特におすすめなのが、釧路にある「和商市場」です。この市場の最大の特徴は、ご飯が入ったお椀を手に市場を巡り、好きな魚介類を各店舗で追加していく「勝手丼」のスタイル。自分好みの海鮮丼を自由にカスタマイズできる体験は、とても新鮮で贅沢な気分になれます。そして開陽台(地球の丸さを体感できる展望台)でいただくのだ。

北海道は景色も食も素晴らしく、ツーリングやドライブにも最適な場所なので、ぜひ訪れてみてほしいですね。

Q5. あなたにとっての福島、大熊町とは?

私にとって福島、大熊町は、人生の半分以上をかけて培ってきた医療従事者としての経験を活かし、貢献したい場所です。

また、母との思いが深く刻まれた場所でもあります。私が岩手で過ごしていた頃、母は亡くなりましたが、生前よく「いつか福島に戻ろうね」と話していました。その想いを受け継ぎ、母のお墓を福島に建てました。そして、将来、私自身が亡くなったときには、母と同じお墓に入るつもりです。

福島は、私の人生そのものを支え、最終的に帰る場所。ここで暮らし、働き、地域に貢献しながら、この地と共に生きていきたいと考えています。

◆編集担当より

いかがでしたか。

徳田さんはとてもパワフルで、筆者もいつも元気をいただいています。

徳田さんの大熊町でのご活躍が非常に楽しみです!

 

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