EVENT / BLOG

OICCC 社会実装ワークショップ ~「エフェクチュエーション」を学ぼう~

社会実装ワークショップ ~「エフェクチュエーション」を学ぼう~ を開催しました

2026年5月30日、研究者向け起業支援プログラム OIC Cleantech Challengeの一環として、「社会実装ワークショップ ~『エフェクチュエーション』を学ぼう~」を開催しました。

本ワークショップでは、研究成果の社会実装や大学発スタートアップの創出を目指す研究者・学生・支援者が集まり、起業家の思考法として注目される「エフェクチュエーション(Effectuation)」について学びました。

講師は株式会社tayo代表取締役の熊谷洋平氏が担当し、講義だけでなく参加者同士の対話やワークを通じて、自身の強みや将来の可能性を見つめ直す機会となりました。

エフェクチュエーションとは

エフェクチュエーションとは、起業家が実際に行っている意思決定プロセスを体系化した理論です。

従来のように「目標を定めてから手段を考える」のではなく、

・自分は誰か
・何を知っているか
・誰を知っているか

という「今ある資源」から出発し、未来を創り出していく考え方です。

研究成果の社会実装では、最初から明確な事業計画が存在するケースは多くありません。そのため、大学発スタートアップや研究者の起業と相性の良いアプローチとして紹介されました。

エフェクチュエーション診断を実施

ワークショップ冒頭では、参加者それぞれがエフェクチュエーション診断に取り組みました。

診断結果は55点から95点まで幅広く、参加者の多くが高いスコアを示しました。

研究者は「計画を立ててから行動する」という印象を持たれがちですが、実際には未知の課題に挑戦しながら研究を進める経験を日常的に積んでおり、起業家と共通する資質を持っていることが確認されました。

自分の強みを棚卸しする

続いて行われたワークでは、参加者それぞれが自身の強みを書き出しました。

専門分野だけでなく、

・海外フィールドワーク経験
・起業・事業開発経験
・教育やコミュニティ運営経験
・多分野にまたがる研究経験
・地域とのネットワーク
・語学力
・人との関係構築力

など、多様な強みが共有されました。

参加者からは、

「研究スキル以外にも自分の強みがたくさんあることに気付いた」
「他の参加者の強みを見て、自分にはない視点を知ることができた」

といった声も聞かれました。

「この人と何ができるだろう?」を考える

後半では、参加者同士で互いの強みにコメントし合い、

「一緒にどんなことができそうか」

を考えるワークを実施しました。

会場では、

・廃棄物処理と農業利用を組み合わせた研究テーマ
・認知神経科学と創薬の融合
・地域課題とアグリビジネス
・女性研究者支援コミュニティ
・海外展開や国際共同研究
・独学研究会や異分野勉強会

など、多くのアイデアが生まれました。

また、「起業するならアドバイザーになってほしい」「共同研究をしたい」「技術を学びたい」といった具体的な協業の話題も数多く見られ、参加者同士の新たなつながりが形成される場となりました。

台湾で大学教員をしている大田先生(参加者)

社会実装は“今あるもの”から始まる

研究成果の社会実装というと、大きな資金や革新的な技術が必要だと考えられがちです。

しかしエフェクチュエーションでは、まず自分が持っている知識や経験、人とのつながりを起点に行動を始めることが重視されます。

今回のワークショップでも、参加者一人ひとりが持つ専門性や経験が共有されることで、新しい共同研究や事業化の可能性が数多く見出されました。

おわりに

OICでは今後も、研究成果の社会実装や大学発スタートアップ創出を支援するイベントを継続して開催していきます。

研究者や学生の皆さまが、自身の研究や専門性を社会と結びつけるきっかけとなる場を提供してまいります。

ご参加いただいた皆さま、ありがとうございました!

関連記事一覧