OICCC 参加者の決定とキックオフ開催!
大熊インキュベーションセンターが運営する研究者向けインキュベーションプログラム、OICクリーンテックチャレンジ(OICCC)の第1回ミーティングをオンラインで開催しました。今回は、プログラムのキックオフとして、参加者の自己紹介と交流、そしてリーンキャンバスを使った事業づくりの講義を行いました。
研究者が事業を学ぶ意味
はじめに、スタッフの熊谷が、研究者にとっての事業づくりについて話しました。研究と経営は、どちらも自分が取り組みたい課題に向かうための手段です。ビジネスの考え方を身につけることで、研究者が選べる方法も広がります。
人や資金を集め、一人では難しい課題に取り組めることも、経営の大きな力です。参加者全員が起業を目指す必要はありませんが、研究成果を社会につなぐ選択肢として、事業を考えてみてほしいと呼びかけました。
多様な研究テーマを持つ参加者が交流しました
続いて、参加者が自身の研究とプログラムで取り組みたいテーマを紹介しました。農地への岩石施用を通じて作物生産とCO₂吸収を両立させる試み、方言と音声コミュニケーションの研究を生かしたサービス、地域のバイオマスを原料とする化学品生産など、環境・農業・ものづくりにまたがる構想が共有されました。
今年度は下記のテーマを持つ5チームがOICCCの参加者としてビジネスプランのブラッシュアップを行なっていきます!
| テーマ | 当日の紹介内容 |
| 農業と炭素除去 | 岩石の風化促進を農地に活用し、作物生産とCO₂吸収を両立する事業モデルを探る。 |
| 方言と音声技術 | 言語発達と方言の研究を生かし、地域の音声コミュニケーションに応えるサービスを考える。 |
| バイオものづくり | 地域のバイオマスから化学品を生産し、大熊町周辺での実証や設備展開を目指す。 |
| 聴力と予防 | 難聴の臨床データから将来のリスクを予測し、早期の対応につながる仕組みを検討する。 |
| 犬の認知機能低下 | 病態に関連するアミロイドβを調べ、新たな動物用治療法の開発を目指す。 |
リーンキャンバスで事業の仮説を整理
後半は、大熊インキュベーションセンターのインキュベーションマネージャー、黒田が講師を務めました。黒田氏は、OICが大熊町で先端技術を持つ企業の実証や事業化を支援していることを紹介した後、「リーンキャンバスで事業アイデアをつくる」をテーマに講義を行いました。
リーンキャンバスは、顧客、課題、提供価値、解決策、収益など九つの要素を一枚に整理します。チームや支援者と事業の全体像を共有し、検証に合わせて何度も書き直せる道具です。
講義で特に重視されたのは、「誰が、何に困っているのか」を先に考えることです。技術の使い道や製品の機能から考え始めると、顧客が本当に必要としているものから離れてしまうことがあります。想定する顧客は、顔や暮らしが思い浮かぶほど具体的にし、その人が今どのような代替手段を使い、何に不満を感じているかを探ります。
課題は「あればうれしい」ことではなく、お金を払ってでも解決したいほど切実なものに絞ります。その上で、顧客が何を得られるかを顧客の言葉で書き、それを実現する商品やサービスを考えます。講義では、顧客、課題、独自の提供価値の検討に時間の大半を使うことが勧められました。
今後のブラッシュアップに向けて
参加者の皆さんには、まずはリーンキャンバスの形で自身のビジネスモデルを考え直すことを宿題としました。今年度は例年に比べサイエンスのレベルの高い参加者が多く、DEMODAYでのピッチにも期待が集まります!