CONCEPT

   
大熊に戻りたいと思える、魅力的な場所にしたい。

そんな想いが、この大熊インキュベーションセンターには込められています。
社会インフラやサービスなどをゼロベースから始められることが今の大熊の魅力です。
復興が進む中、大熊でも次々と新たな挑戦が芽吹いています。
他の場所では乗り越えられないような壁を、越えることができる強さと原動力がここにはあります。
大熊は、古くから県内でもさまざまな地域の文化が交流する町でした。
そのようなルーツを持つ大熊にとって、インキュベーションセンターの設立はとても自然なことでした。
この地に、安心して生活できる環境をつくるには、人の往来が大切です。
OICに集まってくださる研究者や企業が牽引する形で、町には徐々に賑わいが戻ってきています。
旧:大野小学校だったこの場所は、町の基幹産業創出の場として生まれ変わったのです。
施設の一部は入居企業だけでなく、町民はじめ多くの人に利用していただいています。
人が集まり、あたりまえだった風景を、ひとつひとつ、取り戻して行きたい。
町民の方も、新たに生まれ変わった故郷を見て、足を運ぶ機会になって欲しいという想いがあります。
大熊の中心部が新たな一歩を踏み出すのに11年かかりました。
それと同じ時間をかけてでも、帰りたいと思える魅力的なまちをつくりたいと考えています。
卒業生や町民の皆さまが、懐かしさを感じる場所としても、育んで参ります。


ロゴマークに込めた想い

木の机や壁に刻まれた、傷やスレなどの歴史。先生が押してくれたスタンプの質感。教科書にあった書体の記憶。
誰にとっても懐かしく、夢中で過ごした小学校という尊い場所。さまざまな思い出を大切にしながらも、ここから前に向かっていこう。そんな想いを、線引きすることで表現しました。
時間軸は左(現在)から右(未来)へと流れていきます。人それぞれに進む時間軸があり、各々のスピードや長さがありながらも、ここから一緒に可能性に満ちた未来を創る、フレッシュなスタートの気持ちを、左寄せのスタイルに託しました。
 
Creative Strategist
塚原 麻倫子 (Mariko Tsukahara)

Visual Artists

Videographer: Toshinori Iida, Photographer: Daisuke Taniguchi