入居企業インタビュー#45 株式会社Wasshoi Lab さん

今回のインタビューでは自分たちのことを地域の中の「黒子」だと話す株式会社Wasshoi Labの齊藤良太さん、豊田拓弥さんにお話を伺いました。活動内容や、なぜ大熊町で活動しているのかなどぜひご覧ください!
Q1. 主な事業内容を教えてください
まず、会社名である「わっしょい」には、「和を背負う」という意味が込められています。これは、一人では成し遂げられないことを、多様なステークホルダーと共に目的地まで担いでいく、というイメージを表しています。また、「ラボ」は実験を意味しており、和を背負いながら多くのプロジェクトを実験し、それらを事業化していくという活動をしている会社、という意味です。
Wasshoi Labのミッションは「人材の最大化」です。このミッションのもと、社会の誰かを支援する側でもあり、自分たち自身がプレイヤー側でもあるという「二足のわらじ」のスタンスをとって活動しています。中間支援的な役割を担いつつ、自らもトップランナーとして、社会に投資することに意味があると思っています。
具体的な事業内容としては、主に地方自治体が抱える課題へのコンサルティングとマーケティングが大きな領域となっています。例えば、移住定住を促進したいがアプローチ方法が分からない自治体に対し、プロモーションの支援や候補方法の提案などを包括的に行っています。
プレイヤーとして、観光施設の運営や観光コンテンツの作成なども直接行っているため、ヒットを生み出すノウハウを持っており、それを活かしたコンサルティングが強みです。
Q2. 大熊町で事業を始めようと思ったきっかけや、OICの活用方法は?
大熊町での活動を始めたのは、町役場が大川原地区に戻ったばかりのタイミングでした。当時はまだOICも整備されておらず、一般社団法人おおくままちづくり公社の立ち上げ支援や、組織の事業設計・運営コンサルティングに関わったことが大熊町での最初の活動でした。
OICの活用方法は、取材スペースや作業スペースとしてはもちろんですが、ランチイベントへ参加して他の入居企業さんと交流することもあります。また、ワークショップ・ディスカッションの場として、大熊町の関係人口作り事業の一環で、若い層(大学生、大学院生、企業の卵など)を大熊町に連れてきて町を見せたり紹介したりする際にOICを活用しています。
Q3. 今後チャレンジしたいことは?
齊藤さん:チャレンジしたいことですか・・・。日々、チャレンジしかしてないですが(笑)
現在、まさにチャレンジしていることとしては「会社の仕組み作り」ですね。Wasshoi Labはグループ会社であり、様々なジャンルで多くの起業家が活動し、インパクトを生み出している状況です。
この活動の「和(輪)」をさらに広げていくために、「お金の仕組み」「育成の仕組み」「組織のあり方の仕組み」といった仕組み作りに取り組んでいるところです。
豊田さん:そうですね・・・今後というよりも、常に「あんまり自分がやったことないことや、普段選ばない選択肢を選んでみるみたいな、ちょっとチャレンジしてみる」ということを意識しています。
具体的には、「いつもならコーラを買うけど、今日は別の飲み物を買ってみよう」ぐらいのレベル感から、人生におけるあまり行かない選択肢にもチャレンジしていこうと思っています。
Q4. おすすめしたいコンテンツはありますか?
齊藤さん:アレックス・ロビラさん著書の「グッドラック」という本をおすすめしたいです。ファンタジー系のストーリーで100ページほどの短い本なのですが、幸運を探すためにはどうすれば良いかということが書かれており、内容はしっかりと詰まっています。
僕自身、大学卒業後すぐの頃にこの本を読んで以来、この本で学んだ生き方に一貫しているかもしれません。
豊田さん:田内学(たうち まなぶ)さん著書の「君のお金は誰のため?」という本をおすすめしたいです。
小さい子供にも分かりやすく書かれていて、お金や社会の仕組み、お金の価値について書かれた本です。子供から大人まで社会をよりクリアに見るための気づきを得られる本だと思います。
Q5. あなたにとっての福島、大熊町
大熊町は「何か新しいことを始めるには最高のフィールド」だと思います。まだ整っていない部分も多いけれど、だからこそ、自分たちで手を動かしながら、ゼロから形にしていける。そんな場所って、なかなかありません。再現性がないからこそ、試行錯誤しながら“その場に合ったやり方”を見つけていけるのが魅力かなとも思います。
最初に大熊で仕事を始めたときは正直、「何もないな」と思いました。でも同時に「これからいろんなものができていくんだな」というイメージもすごくあって、いわば“志の詰まった青写真”を、みんなで実際につくっていくような感覚でした。人も少ないし、ものもまだ少ない。だけど、そこに関わっていくことで「きっとここから広がっていく」という前向きな気持ちが自然と湧いてきました。
だからこそ今、大熊町の人口を増やすことや、新しい人の流れをつくること、大熊のイメージをもっと良くしていくことに取り組んでいます。新しい人が来れば、そこに新しい産業も生まれる。その流れをつくっていくことで、「大熊の価値アップ」に貢献していきたい。
僕たちは、これからも「町にとって本当にいいこと」を一緒に考え、動いていきたいと思っています。
Q6. 最後に一言
大熊町には今、さまざまな立場の人が集まっています。それぞれに仕事や役割がありますが、もっと本質的な『私たちは同じ人間である』ということを大切にしたいと考えています。私たちは、力を合わせて協力し、みんなで幸せになることを目指していきたいと思っています。 一緒に“大熊にとっていいこと”を考えていきましょう!
◆編集担当より
いかがでしたでしょうか。実は大熊町のいろんな事業に関わってらっしゃるWasshoi Labさん。これからも「支援する側」と「プレイヤー側」でもあるという「二足のわらじ」の活躍に注目です。