入居企業インタビュー#06 オーシャン株式会社 與那覇航さん
オーシャン株式会社
代表取締役兼CEO 與那覇 航
沖縄県出身。ブロックチェーン、APP&システム開発、医薬品、エネルギーソリューションなど幅広くプロジェクトに関わり、ディレクションを行う。
Q1. 事業内容や活動内容について教えてください。
オーシャンではブロックチェーンのシステム開発を行っています。デジタルやブロックチェーン技術の力で、どうすれば脱炭素化を推進していけるかを考え、事業を行っています。
ちょうど自社で開発中なのは、カーボンクレジットをブロックチェーンで管理し、売買するマーケットプレイスです。
日本政府は、「2050年までにカーボンニュートラル」、「2030年までに、2010年対比で46%CO2量を削減」という目標を掲げていて、我々はテクノロジーの力を使って、その目標達成の為に必要なプロダクトを生み出したいと思っています。
その一つがカーボンクレジット。カーボンクレジットとは”CO2の排出権”といわれるもので、最近注目されています。
一方で、ハードウェア事業もを行っていて、物理エネルギーを活用した蓄電池システムの開発を進めています。
– カーボンクレジットをブロックチェーンで管理する事業について詳しく教えてください。
まず、CO2の排出権を売買する仕組みがなぜ生まれるのかを説明します。
森林はCO2を吸収することで地球環境の維持に貢献しますが、同時に経済活動を行う工場などでは、CO2が大量に排出されています。
各工場では国連の提言している「2050年までにCO2の排出量をゼロにする」という目標に向かって直接的な削減に取り組んではいますが、ゼロにするというのはかなり難しい。
そこで、CO2を吸収できる森林を持つ町や人が、その森林が年間で吸収したCO2の量を測定しカーボンクレジット化、工場に対して「CO2排出権」として売り出す仕組みができました。
それをブロックチェーンに載せて、売買するというイメージです。
そうすることで、工場が1年間で100tのCO2を排出してしまったとしたら、100t分のカーボンクレジットを買うことで、排出したCO2を相殺してゼロと見なす、ということができるわけです。
次にブロックチェーンを利用する理由ですが、取引に公平性を担保できることです。
ブロックチェーン技術の特徴に「非改ざん性」というものがあるので、一度所有権の移転が記録されたカーボンクレジットは、書き換えることができません。それにより、二重計上を防ぐことができます。
ブロックチェーンは、パブリックなサーバー上でいつでも誰でもその履歴が閲覧できるので透明性も担保されます。
我々はこの様なオープンなプラットフォームの上でカーボンクレジットを管理することで、公平で安全な取引を推し進めたいと考えています。
Q2. OICに入居した理由は何ですか?
黒田さんにお会いした時に、OICに沢山の先進的な企業が入居していて、それぞれに熱い思いを持って、皆さん活動されているという話を聞いて、感銘を受けたからです。
また、何より大きかったのは大熊町が「ゼロカーボン推進地域」として様々な取り組みを行っていることです。ゼロカーボンを目指すという目標が我々と一緒なので、すごく惹かれました。
Q3. OICをどのように活用していますか?
ミーティングや、デスクワークなどで使用させて頂いています。
一番素晴らしいなと思っているところは、OICと町役場の距離が近いことですね。
OIC関係の方と役場の方がよく交流されていたり、企画調整課の方がふらっとOICにいらっしゃったりするので、僕らがやりたいことを町に提案しやすい。
4月に入居しましたが、さっそく5月に町と打ち合わせをさせて頂いて、プロジェクトも走り出しています。OICと住民や行政の距離が近いからこそ、皆さんの声を拾いながら近い距離感で事業を進めていけるという感覚があります。
Q4. おすすめしたい○○を教えてください。
沖縄出身なので、ゴーヤチャンプルーがオススメです。
たまに、友達を招いて沖縄料理ナイトを開いています。
沖縄の泡盛を持ってきて、ゴーヤチャンプルーや豆腐チャンプルー、沖縄そばなどを作るのですが、皆んなからは美味しいと言ってもらっています。ぜひ大熊でも沖縄ナイトをやりたいです。
Q5. 今チャレンジしたいことを教えてください。
海外販路の開拓です。
今年の11月30日から開催される、世界気候変動会議(COP28)に向けて海外向けの資料を作ったり、英語でのプレゼンの準備をしたりしています。
海外のお客さんにいかに自分たちの商品を使ってもらえるかを考えて、チャレンジして行きたいと思います。
Q6. 関心のある事、分野はなんですか?
やはりサステナビリティに関心がありますね。
脱炭素や再生可能エネルギーに関することは仕事としても、個人としても興味があります。
Q6. 與那覇さんにとっての福島、大熊町とは。
先ほどあったように、私たちの事業と大熊町は「ゼロカーボンの推進」というゴールが一緒なので、私たちにとって大熊町とは、「ともに歩める町」です。
◆編集担当より
いかがでしたか。今回は大熊町と同じゴールをめざす與那覇さんにお話を伺いました。
カーボンクレジットに関する事業について説明していただきましたが、お話に合った蓄電池システムの開発をはじめ、オーシャン株式会社はこれまで様々な興味深い事業を展開しています。
ぜひ調べてみて下さい!