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入居企業インタビュー#11 株式会社ReFruits 原口 拓也さん

株式会社ReFruits
代表取締役 原口 拓也

「農業界の「ジョン万次郎(開拓者)」になる」ことを目標に掲げ、全国各地で農業研修を受けてきた。2022年は1年間大学を休学し、福島県大熊町のキウイ栽培に本格的に関わる。

Q1. 主な事業内容について教えてください。

キウイフルーツの栽培です。

以前この地域ではキウイフルーツや梨が特産品で、地域の方々に親しまれてきました。しかし、2011年の東日本大震災と原子力発電事故によりる全町民避難を余儀なくされ、キウイと梨の栽培が停止してしまい、特産品と言えるものがなくなってしまい消滅しました。

現在は、除染により元々あったキウイフルーツや梨の木も伐採され、そのほとんどが更地となっています。私たちはそんなキウイフルーツを大熊の特産品として復活させたいという思いから、地元農家の技術を教えていただきながら栽培に着手しています。

2023年10月に会社を設立しましたが、まだ本格的な始動はしておらず、現在は農地の借り入れやキウイの栽培準備などを行っています。3月から苗を植えて育て始める予定です。

キウイの実が収穫できるのは3年目以降であり、それまでは事業てとしては利益が見込めないため厳しい時期が続きますが、勉強期間として捉えてひたむきにキウイ栽培に向き合っていこうと思います。

また、栽培については、培われてきた大熊町の伝統の栽培方法を次世代に繋いでいけるように、先端技術を活用した取り組みも行っていきたいと考えております。

例えば、畑にセンサを導入して気温、湿度などを記録し、その情報がリアルタイムで共有されるシステムを構築する予定です。将来的にはその蓄積されたデータを元に、その日に必要な作業に落とし込める落とし込むようなシステムを作り上げていきたいと考えております。

また、弊社単独で活動するのではなく、一般の方も参加できるキウイ畑での作業会など、町民の方々や大熊町でのキウイ栽培に興味を持っていただいている方々を巻き込んだ様々な企画を考案しています。

売り上げが出ない期間は長いで難しい状況ではありますが、地元の方々もキウイフルーツに期待していただいているので、借り入れなども行いながらなんとか乗り切りたいなと思っています。

Q2. 大熊町でキウイフルーツの栽培を始めた経緯を教えてください。

人間の生きる上で必要不可欠な「食」に興味をもっており、その中でも「食べる」根本を作っている農業に魅力を感じていました。その農業を突き詰めていきたいという気持ちが生まれたのと、体を動かすことが単純に好きなので農業をやりたいなと思うようになりました。

そこでどこで農業をするのか、どんな農業があるのかをより知るために、北海道から沖縄まで全国各地の農作業を見てきました。
その中で、知人の紹介がきっかけで大熊町のことを知り、大熊町の農業の現状に興味を持ちました。

この町は農業が一度消滅した地域ですが、かつて大熊町で梨やキウイを育てていた関本さんのキウイフルーツの美味しさや、大熊町の方々の想いに触れる中で、この町で農業をしたいという気持ちが大きくなりました。

この場所で、自分の好きな農業を追求しながら、この地域のキウイの可能性を探求していきたいと思っています。

Q3. OICをどのように活用していますか?

月の半分ほどの時間を大熊で過ごしており、その際にOICを頻繁に利用しています。OICでは事務作業を中心に行っていますね。

また、OICではスタッフや他の入居企業の方々とコミュニケーションを取ることができるので、そういった面でも活用しています。

Q4. 普段はどのような生活をしていますか。

現在は関西にある大学の4年生です。

月の半分程度は大熊に滞在し、キウイ畑での作業、会社の事務処理をしたり、イベントに参加したりしています。

大熊にいないときは様々なキウイフルーツ農家を訪問し、キウイフルーツの栽培技術を学んでいます。

また、大熊町でのキウイ栽培を復活させるために作られた任意団体である「おおくまキウイ再生クラブ」に所属し、東京を中心に大熊のキウイフルーツの魅力を広める活動も行っています。最近はイベントやフェスで大熊のキウイフルーツを使用したスムージーを提供していますね。

大学で出席が必要な際は関西に戻り、研究を進めながら卒業に向けて頑張っています。研究はブロックチェーンに関連するソフトウェアの開発を行っています。

Q5. おすすめしたい○○を教えてください。

最近であれば、農作業した後にほっと大熊にお風呂に入りに行くのがルーティンになって化していますね(笑)。とても気持ちいいのでおすすめしたいです。

他にはフルーツガーデン関本さんのキウイフルーツもおすすめです。

元々は大熊町で、現在は千葉県でキウイフルーツを栽培していて、私達が栽培技術を教わっている方です。直売所もあり、そこで食べるキウイフルーツがとてもおいしいです。

関本さんのキウイフルーツは農薬をほとんど使用せず、自然の力を生かした栽培をしています。
さらに、キウイを甘くするために成熟後にエチレンガスを使用して保管する追熟という技術があるのですが、その技術を大事にされていて、キウイの品質向上に注力されています。

通常売られているキウイフルーツの中には追熟が上手くいっておらず酸っぱいものが多かったり、追熟がそもそもされていないものもあったりするのですが、関本さんのキウイフルーツはすべて自社で追熟を徹底して管理した上で出荷しているのでとても甘いです。

Q6. 今チャレンジしたいことはなんですか?

今挑戦したいことは、将来農業に興味を持つ人々に教えられるような再現性のある栽培手法の確立です。

大規模な農家では長い間師匠の指導を受けながら技術を磨くことができますが、今の時代においてはそのような機会が少ないため、技術を言語化してなぜその方法がうまく機能しているのかを説明できなければ、次世代に伝えることはが難しいのかなと考えています。

そのため、長い時間軸の目標にはなりますが、将来的な担い手世代に対してソフト面、ハード面の両面で技術が継承できる栽培方法を確立していきたいです。

Q7. あなたにとっての福島県、大熊町とは?

農業におけるチャレンジとしての出発点です。

特産品の復活を実現し、大熊町のキウイの魅力を全国、世界に広めていきたいと考えています。

◆編集担当より

いかがでしたか。

ReFruitsの原口さんと同社取締役の阿部翔太郎さんは「おおくまキウイ再生クラブ」でも積極的に活動を行っています。

町内外のどなたでも参加できるキウイ圃場での作業会も実施しているので、興味がある方はぜひ除いてみて下さい!

株式会社ReFruits
おおくまキウイ再生クラブ

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